古き、良き、長きお付き合いの顧問先企業の解散・清算手続き
2012年12月18日[更新:2019年9月30日]これは益子会計にとっても悲しい事例ですが、サポートの一つのかたちとして、ここに紹介させていただきます。
30年の長きにわたり顧問先として発展をお手伝い、サポートさせていただいてきた企業が解散するにあたって、最後のお手伝いとして一所懸命やらせていただいた事例です。
創業60年の貴金属関連の企業で、諸事情からやむなく会社整理を決断された社長が相談にみえました。
企業に余力があるうちに
この企業の社長は、先代社長より16年前に経営を引継ぎました。半世紀以上の歴史を持つ会社で、自己資本は厚く、安定した経営を行っていました。そんな中で会社整理のご相談を受けました。
次のことが理由です。
- 危険を伴う仕事で、後継者が見つからなかったこと。
- これまでお世話になった得意先、関係先、さらには従業員、家族に決して迷惑や負担のかからぬよう、余裕のあるうちに整理しておきたいという社長の思い。
社長からは会社整理に関わる一切合切のことを、益子会計にご相談していただきました。長いお付き合いとはいえ、そこまで信頼していただけるのは益子会計としても本当にうれしいことです。
実情に即し、未来も見据えて提案
まず、社長のお話を何回か聞かせていただいたところ、そのご相談背景に、
- 会社所有の資産(不動産、設備・機械などの償却資産)が多くあった。
- 社長が所有していた不動産を会社に賃貸借していた。
- 会社の事業規模から見て、土地が広く、有効活用されていない。
そこで益子会計では、次の項目の検討を行い、
- M&A(株式の売却)
- 事業規模の縮小と他者への引継ぎ
- 会社の営業譲渡
- 不動産の売却
- 会社解散、清算
以下を提案させていただきました。
- 社長が高齢なので、公正証書による遺言書の作成
- 会社所有の土地の売却
- 個人で所有の土地を活用→アパート建て替えなど(会社清算後の収入確保)
そして、それぞれについて具体的にわかりやすく社長にご説明し、十分納得していただいた上で、最終的に解散、清算手続きを行いました。
タイミングも大切
そこの手続きを通じて改めて実感したことは、会社の解散・清算手続きは、事業を新規に起業し会社設立することよりも、はるかに大変で複雑であるということでした。
さらに解散のタイミングによっても、税金が多くなったり少なくなったりするケースがありますので、その面でも十分留意する必要があります。
今回の一連の手続きについては、まず社長のお考えがしっかりしていたので、適時ご決断をしていただけたこと、そしてプロである私ども益子会計を信頼いただき、全権お任せいただいたことで、土地売却や解散日などの時期においてもきわめてタイミングよく、すべてをスムーズに運ぶことができました。
最良のかたちとなるようお手伝い
益子会計では、通常の企業の会計・税務顧問、個人の確定申告などのお手伝いだけでなく、相続税対策から相続税申告まで数多い実践的な経験を基盤としてご相談に応じ、お手伝いしています。
今回のような会社の整理・解散・清算に関しても、最も良い形で終わることができるよう検討を重ねた上でご提案し、ご相談者のご納得のもとに最善を尽くしてサポートさせていただきます。
この事例では、一つの会社の半世紀の歴史のピリオドをしっかりと見届けさせていただきました。長いお付き合いの顧問先であるだけに、とても悲しく感じましたが、最後までしっかりとお手伝いさせていただいたことを光栄に思い、心からの感謝の念に堪えません。
益子会計では顧問先との出会いを「縁」として受け止め、そのお付き合いを大切に末永く続けてゆけることが何よりと考えております。
※事例につきましては、掲載時点での法令に則った内容となっております。